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AMAZONの電子書籍条件を作家の立場から考えよう

最近の話題でアマゾンの55%というのがある。
どういうことかというと、10月中旬、AMAZONが日本国内の出版社130社に対して送った共通の契約書だ。
その中身が日本の出版社を脅かしている。

契約内容を簡単にかくと

○小売り価格のうち55%をアマゾンがとるよ
○出版社は新刊すべて電子書籍化しろ
○既刊作家と連絡取って著作権を出版社で買い取り、それをAMAZONに渡せ
○万が一、出版社が権利をもっているのに電子書籍として提供されてないものがあるなら、アマゾンが勝手に電子書籍つくるよ、まあ出版社に最終承認とるけどさ
○もらったデータは返却しないよ
○あ、電子書籍は紙の書籍より安く売るからね


ぱっと見、なんかひでえ、と思った。
取り分55%とかさ、暴利だって。
でもちょっと冷静になって考えてみたら、作家の立場としてはあれ? 怒るとこ「そこ」じゃないよね、と。

アマゾンの取り分が55%ってのは実は作家にとってはあまり関係がない。
実際、今日本の出版界での取り分ってのが、書店と取り次ぎで30%、出版社が70% なのだそうだ。
その出版社の取り分の内訳は、別なサイトのデータによると、

著作権 10%
印刷 20%
デザイン 10%
販売費 10%
管理費 10%
出版社利益 10%


なわけ。
だからもしアマゾンのいうとおりになっても、

アマゾン55%、出版社45%のうち、その45%の中に著作権料10%は入っているの。

じゃあ出版社が大赤字? っていうと、印刷費と管理費(在庫や返品)いらなくなるから

著作権料10%
デザイン10%
販売費10%
出版社利益15%


あれ? 増えてね?

販売費っていうのは営業だよね、宣伝とか。今まで足で回って書店を歩いていた分は全部電子メールやTV電話でやればその分浮いて宣伝に回せるし、なにより在庫を抱えないっていうのは倉庫代や処分代がかからなくてかなり身軽になる。

だから、作家が問題にすべきなのは

○著作権を出版社で買い取り、それをAMAZONに渡す
○万が一、出版社が権利をもっているのに電子書籍として提供されてないものがあるなら、アマゾンが勝手に電子書籍つくる
○データは返却しない
○電子書籍は紙の書籍より安く売る


なのだ。

昔の作品なんか見たくもないって作者もいるだろうし、データを握られてたらあとで著者がその作品でなにかしたいと思ったときにアマゾンの許可がいる。
おまけに紙の書籍より安く売られたら、同じ10%でも実入りは少ない。
いや、元々日本の作家は著作権自分で持っていたからA社で1500円で2000部のハードカバー出した後、B社で500円の文庫1万部出す、とかできたわけ。
この会社や編集気に入らないから別な会社から出すとかさ。
そういう自由な裁量ができなくなるのではないか。
だからもしこの契約が通る場合には、作家には配信停止の自由という条項を盛り込んでほしい。
現に私はN社で配信しているとある作品を配信停止にしてもらいたいのだ。
理由はいろいろあるが、それをお願いすると担当の某さんは、「できません、そんなことをすればパピレスが白城るたの作品を全部削除すると言ってます」と脅された。
別にいいんだけど、本当にパピレスがそう言ったのか? パピレスすぐ近所だから聞けるんだけど。
話がそれたがN社はともかく信頼のおける他社も「配信停止はむずかしい」というようなことを言っていたと思う。酒の席で酔っぱらって聞いていたので曖昧だけど(笑)。
そんなに停止がむずかしいのかな、同人誌を配信しているDLサイトとかDIGIケットとか好きなように停止・再配信してくれるぞ。

まあ私の魂胆はN社で出したある作品を他社で出し直したいんだけどね。
その作品1作品だけでいいんだ、著者校もさせてもらえなかったし、愛着ある作品なのにいろいろひどい目にあってるから。
だし直しできなくても自分で同人誌にしたりさ、したいわけ。

そもそも日本の出版契約書には必ず期限があるの。○年間出版権は出版社のものとするって。その期間がアマゾンに売られてもちゃんとついていればいいよ、でも永久的に握られるのでは困る。

それから紙の書籍より安くっていうのは、さっきも書いたけど確かに上製本より文庫が安いよ、でもそれは文庫の冊数が多いから、売れなくても出した冊数だけ印税もらえたからOKなの。
電子書籍ってダウンロード1本につきいくら、じゃない。それで安かったら作家は食べていけなくなる。
売れる本書けよって話だけど、売れるまで作家を食わせてくれなきゃ、そして売れる本だけじゃなくてあまり売れない本も置いてなきゃ作者の土壌も読者の土壌も育たないと思うの。

まあでも電子書籍を紙の書籍より安くしろっていうのはわかる。携帯小説だってすごく値段にきびしいしね。
みんな高い高い、高い割に量が少ないって言うんだよ。量は少なく感じるもんなんだよ、携帯小説って「厚み」ないから。
単行本未収録の作品や、書き下ろしはそれなりの値段つけさせてくださいよ、っていうのが作家の本音。また話それた。

まあとにかく、そういうことをふまえて、電子書籍に関しては出版社だけの問題にしてんじゃなく、作家もいろいろ考えた方がいいんじゃないかなあ、日本で電子書籍が定着するかどうかは疑問だけど。

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拍手コメントありがとうございました。

KJさん>「ちはやふる」読んでいただけましたか。「さっき一巻だけ買ってきて読みました。「お、面白い…!!」すっごく面白いです!!これスポ根漫画に通じるものがありますね!!全巻買ってこなくて良かったです。徹夜で読んでしまうそうなので…」おもしろかった? そうでしょうとも。アニメはもちょっとおとなしいんですけど、漫画はおすすめなのでぜひ全巻読破を。

高塔さん>パソコンの調子が悪くなり、新しいのを購入かと掃除機は後回しになりそうです。一応動くんですよまだ。でも相方の好みはサイクロンの東芝らしいのでそれになりそうですね。今の機械は全部省電力なので、古い機械がこわれるのを待つより、今変えた方がお得かも?? あ、ルンバはそのうち母親にプレゼントする予定です。

拍手だけの方もありがとうございました~!!
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プロフィール

霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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