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科学忍者隊ガッチャマン(その2)~昭和のアニメを語ろう

先日ガッチャマン(その1)に拍手をもらいまして、「お話を拝見して、自分もガッチャマンにハマっていた時期を懐かしく思い出しました」と言ってくださった言葉にまたガッチャマン熱が燃え盛りましたよ。
今回はあなたのために書きました!

前回、同じ寮の隣の部屋に住んでいたクミさんにガッチャマンを教えられたと書きましたが、クミさんは純粋なアニメファンで、二次創作をしたり(当時はパロディと呼んでいた)資料を集めたりする人ではなかった。
しかし私は同人誌を作った。最初は普通のアニメ・マンガ研究誌だったが、どういうきっかけか思い出せないんだけど多聞さんという地元富山でガッチャマンの創作をやっていた人と知り合った。1つ年下だったと思う。
彼女の作品は光瀬龍の「百億千億」に影響されたと思われる仏教的世界の幻想的な話だった。だってジョーが阿修羅の転生なんだよ。
ジョーが自分の秘密を知ってその前世の世界をさまよう幻想的な部分と、地球が滅ぶ課程を得て、誰もいない世界で狂っていく健の話を交互に描いて、最後にジョーと健は巡り会って、再び地球を作るために消える、みたいな壮大な話。

これを読ませてもらった私は、この話はぜひ多くの人に読んでもらいたい! とオフセットで発行することを決意した。なんか使命感みたいなものがあった。
発行サークルは「荒木企画室」。知ってる?

当時オフセはすごく高価だった。なので発行するサークルは予約受付ということをしたのだ。予約でお金を集めてから本にする。今では信じられないかもしれない。中には二年も三年も読者を待たせたあげく、結局本が出せなくて返金するサークルもあったけどね。
この頃ガッチャマンのサークル誌も何冊かでていたのでそこでCMさせてもらったり、アニメ誌に載せたり、イベントでチラシ撒いたりしてね。

信じられないといえばもう一つ、当時はパソコンもワープロもなかった。そんな時代、小説本を読んでもらうには、きれいな文字でなきゃいけなかった。だがあいにく私の字はどうしようもない悪筆。
どうしたか?
実はこの頃には小説の文字をきれいに書いてくれる「字書きさん」という存在があった。
たいていは友人やサークルや作品のファンのボランティアだ。
今から考えるといったいこの人たちの自己犠牲はどこからきてるのだろうと呆然とするけど、私は上下で80Pにもなる小説を「字書きさん」に頼んで清書してもらった。

この同人誌はけっこう話題になった。
だって完全にオリジナル設定なんだもん。そしてラブシーンもあった。完成度も高かった。
男性同士の恋愛、いわゆる「やおい」はまだそこまでおおっぴらじゃなかった時代だったな。ガッチャマンにやおいは必要じゃない、って抗議もあったと思う。

私は自分で書いた作品でもないのに、おかげでたくさんのガッチャマンファンと知り合いになった。一緒に合宿と称して作品を書いたり、イベントの時はうちに泊まってもらった。ほとんど毎日誰かしらきていた。
狭いアパートでガッチャマンの話や創作について話し合った。
今でもこのうちの3人とはおつきあいさせていただいている。

この時期はヤマト・ガンダムときてアニメージュが創刊されたり、スターウォーズが上映されたり、キャプテンハーロックが人気だったり、とにかくアニメブームが巻き起こっていた。そしてすごくタイミングがいいことに、ガッチャマンの放送終了から4年、タツノコプロが「ガッチャマンⅡ」の放送を始めた時期でもあったのだ。



ただ、ガッチャマンⅡは作画の出来があまりよくなかった。4回にⅠ回くらいしかよくなかった。当時はアニメの制作について詳しくなかったのでわからなかったが、たぶんローテーションで作画監督が回っていたんだろうなあ。うまい人とそうじゃない人の差がけっこうねえ……。

それでも私たちとガッチャマンの蜜月は続いた。ガッチャマンⅡの放送はあったけど、相変わらず旧作の話ばかりしていた。
「魔女レーサー」の回で故障した車を押していたジョーが「やってられるか」ってふてくされたのがかわいいとか、レッドインパルス絡みの回で自分をだました旧友を見る健の目がほんとにゴミを見るような目だったとか、アクションシーンで殴ったり蹴ったり骨を折ったりするシーンの効果音がリアルで怖いとか、アクションシーンはほんとにかっこよかったとか、「死斗!海底1万メートル」とか「ギャラクター島の決斗」はほんとにジョーいじめの回だけどまるで洋画のようですばらしかったとか、カッツエのIQが異常に高いのは二人分の脳だったってそれあんまりIQ関係ないよね、つか、カッツエはやっぱりアホなのかとか、爆風でマスクを吹き飛ばされたカッツエの素顔が美しかったとか、モデルが「山猫」のキム・ノヴァクだしねとか、ジョーの病気を告げられて受話器を置く南部博士の前髪がハラリと落ちた演出が細かいとか、重箱の隅をつつきまわるように話し合った。

ガッチャマンⅡがふるわずに終わってすぐにガッチャマンFが始まった。いきなり子供向けに転向した作品に大人の私たちはとまどったが、それでもガッチャマンを応援し続けた。
放映終了間近、ガッチャマンを支えていた南部博士が死んでしまった。
で、「F」が終わってしばらくしてⅠ枚のはがきが送られてきた。
それは「南部考三郎告別式」のはがきだった。

続く。
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プロフィール

霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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