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十三人の刺客はエキサイティング(あらすじ・感想・ネタバレ)

「十三人の刺客」を観た。

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ブログなどでは概ね好評の映画で、中には「なにも伝わってこない」という辛口批評もあったけど、私はおもしろかった。
まあ確かに登場人物の内面はあまり描かれていないけれど、これはそういったものを見せる映画じゃないし。
どうやって13人で300人を相手にするのかっていう、洋画の「ハンニバル」とか「300」とかいう映画と一緒だ。あるいは「Aチーム」とか。
洋画のものほどスカッとはしないけれど、宿場町にいろいろ仕掛けをして300人を130人にまで減らすところはおもしろかった。

そんなわけで「13人の刺客」あらすじをネタバレ感想と一緒においかけよう。

最初は明石藩江戸家老の切腹シーンからはじまる。切腹した場所は筆頭老中屋敷の門前。暴君で名高い自分ちの藩主が老中に任命されそうなことに抗議した切腹。
切腹シーンは内野聖陽の顔だけの演技。R12だから映すかと思ってた。
ちなみにこの撮影場所は46年前、工藤栄一監督が撮った「13人の刺客」と同じ西本願寺前なんだそうだ。
内野聖陽のシーンはこれだけ。見事な使い捨てっぷりです。

命をかけた嘆願もあっさり握りつぶされるが、バカ殿が老中になる危険性は重々承知している江戸幕府老中・土井(平幹二郎)は公儀御目付け役である役所広司演じる島田新左衛門に暗殺を依頼する。
依頼するんだけど自分の口からは言わないのね、どうこうしてほしいっていうのは。ただ危険性を示唆する。
まず尾張藩藩士・牧野(松本幸四郎)に会わせる。牧野は息子(この人は「チェイス」で基一役だった斉藤工)の嫁が犯されて、息子も殺された話をする。
その次に、両腕両足を斬られて舌も抜かれてなぐさみものとして飼われたあげく、捨てられた一揆の首謀者の娘を見せる。
ここがすごかった。部分的に見せるのかと思ったら全身見せる。ここで強烈に見せつけ、島田新左衛門や観客に怒りと恐怖を与える作戦だな、わかった、わかったからもうやめて。女性観客にとってこれは悪夢のよう。
島田新左衛門は娘に家族はどうした、と聞くと、舌を抜かれた娘は口に筆をくわえ半紙にぎりぎりと血の涙を流しながら書き上げる。
「みなごろし」 と。

土井に意向を聞かれた島田・役所広司はここで笑う。思わず、と言った感じで笑う。
ここの笑いの解釈はいろいろあるだろうし、これが演出なのか役所広司のアドリブなのかわかんないんだけど、役所広司自身がパンフレットで「いろんな感情がごっちゃになってもう笑うしかなかった。自然に出た」と言っている。
人はどうしていいかわからなくなると笑ってしまう。これはごく普通の感覚なのかもしれない。島田新左衛門はごく普通の人でなければならないのだ。
ごく普通の人が神にも等しい暴君を討つ。そういう映画だ。

以下かなりネタばれなのでたたみます。
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さて、バカ殿にも忠誠を誓う人はいる。これが市村正規演じる鬼頭半兵衛。鬼頭は殿のやっていることは非道なことだとわかっているが土井が主君を暗殺しようとしていることを知って守ろうとする。しかも暗殺者は同じ道場で学んだ島田新左衛門。決して強くはないが決して負けないという島田新左衛門になにやら因縁がある様子。
まあ、しかしバカ殿はそんな鬼頭の心も知らず切腹した家老の一族を弓の的にして遊んでいる。

主君を暗殺するには江戸から明石藩へ帰る参勤交代の道しかない、ということで、島田新左衛門はまず暗殺者を集める。剣しか生き甲斐のない浪人・平山、島田の人柄に惚れ込んでいるお目付け組頭・倉永(松方弘樹)、その弟子たちや自分の部下の中から11人選ぶ。いずれも泰平の世に剣で死にたい人ばかり。
平山役の人はTVドラマ「チーム・バチスタ」で桐生先生をやった伊原剛志。バチスタの時、大きなマスクの下から鋭い眼光で女子のハートをキャッチした伊原さんは今回もストイックな侍役。泰平の世の中で彼の演じる平山だけが人を斬ったことがあるという設定(実際伊原剛志は真剣での居合いにも通じているとのこと)。
島田新左衛門でさえも実際に人を斬ったことがないという、暗殺者側も守る方も素人集団。

12人目は島田新左衛門の甥で自堕落に生きている山田孝之演じる新六郎。この人横顔は女の子みたいなのね。でも胸毛があって変。
芸者の彼女の家に居候しているんだけど、旅立つときに「すぐ帰る、遅くなったらお盆に帰るから迎え火をよろしく」とかっこつける。

さて、島田新左衛門の案は道中にある宿場町をまるごと買い取りそこに封じ込めてしまおうというもの。
家が一軒50両として、70軒ほどあるので3500両を持って買い取り組がまず出発。
この町の長が岸部一徳で、最初は「そうはいっても住民がおりますので安い値では」なんていやらしく言うけど、目の前に3500両積まれて腰を抜かしてしまう。
「はいもう、壊そうが火をつけようがご存分に」
なにに使うかわかんないけど終わったあとはまたすめばいいやと思っているらしい。いやいやいや。

山道を通って宿場町に先回りをする島田新左衛門たち。途中で山仲間からリンチを受けた小弥太(伊勢谷友介)を拾う。
「龍馬伝」ではぞろりとした着流しに三味線で妙に色っぽいというか艶かしい高杉を演じているが(銀魂でファンになった人も満足だろうな)、今回は真っ黒できたなくて元気一杯の山っ子。
山道の案内だけだったが「おまえら狩りをするんだろ? 混ぜてくれ」と言った感じで混じる。丸太で殴っても「なに?」ときょとんとする小弥太。頑丈なのか鈍いのかわからない。
島田新左衛門は仲間にいれるが小弥太に「お頭」と呼ばれて肩をたたかれると「お頭ではない」とその腕を避けたりしてやりにくそう。
宿場町につくと罠をしかけるための工事が始まっている。

しかし運良くその宿場町を行列が通ってくれるかどうかわからない。一応尾張藩の牧野に尾張を通らないようにしてくれと頼んでみるが確率は半々。もともと無謀な戦だからここでばくちに負けたらそこまでなどとなんだか気楽にも聞こえる。
しかし牧野が尾張へ至る橋の上で明石藩藩主の通り抜けを許さないという尾張藩の命をたてに妨害、行列一行は無事に?島田新左衛門らが待ちかまえる宿場町に。
(このあと牧野は島田新左衛門らに迷惑かけないようにと切腹。あれ? 尾張藩の立ち入り禁止令はこの映画では嘘なのかな? この人の死ぬ理由がわかんない。松本幸四郎もまた見事なまでの使い捨て)

宿場町では仕掛けも済んで行列を待ち構えるけどなかなかこない。いらいらしながら待つ侍たち。
そんな中、小弥太は毎晩女とえっち。しかしあまりに絶倫なため、女たちはギブアウト。岸部一徳の村長が「勘弁してくださいよー、女たちが死んでしまいます」と止めに入るが小弥太のイチモツを見て「それにしてもご立派な」。
このあたりで変な気配が匂いたつ。
伊勢谷友介と岸部一徳の視線が絡んでなんかもにょもにょって雰囲気になったあと、岸部一徳がぶんぶん首を振って「いやいやいや」。

でも……










やられちゃいました。

「アッ───!?」






岸部一徳っていくつになってもかわいいなあ。いや、年くった方がかわいい。
このシーンは監督がいきなり思いついてやっちゃったらしいけどね、岸部一徳のいやらしい空気の出し方がすごいね。

ようやく行列がやってくるけど70人前後と聞いてたのに300人近くいるとの報告にびっくり。
道理で遅かったはず、途中で補充したな、と島田新左衛門は歯噛みするけど、いや、だって村の仕掛け、あれ絶対70人程度向けじゃないよね。70人用ならもう全滅だよ。
ここで島田新左衛門はみんなに喝をいれるけど、そのとき「我等……」ちらっと小弥太を見て「13人」と言うと、それまでちょっとすねているようだった小弥太がすごく嬉しそうにしてちょこちょこってそばに寄っていくのがかわいかった。それまではみんな「12人」「12人」と言ってて自分は入れてもらえてなかったみたいな感じだったから。痛みには鈍いけどこういうところは聡かった小弥太。

バカ殿を守る鬼頭は宿場町に入る前にちょっと胸騒ぎを感じて先に馬で入るんだけど、そこに広がっているのは普通の庶民の風景、安心して行列を通し始めるが、途中で裏山を登っていく庶民たちの姿を見て不審に思う。
時すでに遅く、刺客たちの罠が動き出す。

移動式の巨大な柵が行列を三つに分割、うろたえる行列に屋根の上から13人が一斉に弓矢を仕掛けたり、火薬で爆発させたり、家を破壊したり、火のついた薪を背負った牛を暴走させたりして数を減らしていく。
屋根から丸太を落とす案もあったらしいけど、時間かけて丸太を屋根にあげて落としても、けがをするのは二三人、監督が却下したらしい。
ここで300人を130人にまで減らして刺客たちは口上を述べる。松方弘樹が怒鳴っている隣に役所広司が立っているんだけど、なんか立ち方が変な感じ、と思ったのは私だけかなあ、どのブログにもふれられていない。
だってなんか体をすくませている風に見えるんだよ。なんかもっと偉そうに立ってほしかったな。

島田新左衛門は殿に一枚の紙を見せる。それはあの手足を奪われた娘の書いた「みなごろし」という文字。そこには刺客たちの決意が現れている。

「斬って斬って斬りまくれ!」

50分近いラストの戦闘シーンのはじまりです。

13人はもう手あたりしだい斬りまくりますが、チームワークがいい。一人があぶなくなると別な人が助けるみたいな。あと宿場町の地理を熟知していて、ちゃんと逃げ込んだり罠に誘ったりする。
ただ観ているこっちは宿場町全体がわからないので、そこは俯瞰やジオラマや地図で全体図を見せてほしかったな。こことここを封鎖した、とか。たとえば地図をオーバーラップさせてその地図上で戦わせたり、「Aチーム」みたいに計画と実行を交互にみせたりしてもらったら、もっとアクション映画としておもしろかったかも、と思う。

刀はたくさん人を斬ると脂を巻いて斬れにくくなるので替えの刀がたくさん用意されてます。それも使いや易いようにむき身で地面に刺さってる。刀は単なる人斬り道具、ガンダムでロボットを使い捨てにしたみたいに使い捨て。

ええっと、絶対130人以上は斬ってるよね、というような戦闘、13人はどんどん疲れてやられていきます。友人がやられるとその怒りを糧に一瞬強くなったりするけどね、やっぱりばたばたやられていく。中には火薬で自爆したり(せっかく自爆なのに一人だけ道連れってどうよ)。

剣豪の平山は剣の林に敵を誘い込み(剣が数十本地面に刺さっている)、多くの敵を斬り殺します。ここかっこいいとこ。
ばっすんばっすんと剣を抜いて斬っていく手際に見惚れましたが、パンフを読むと、実際、剣を握って抜いて斬って捨ててまた剣を握る、という動作はむずかしいとのこと、真剣を振るえる伊原剛志だからこそできたのかも。
各ブログで絶賛の松方弘樹の殺陣、なるほどお見事、重量感があります。決めもあります。カントク曰く、「一人で50人くらい斬りそう」。
古田新太の槍も上手。最初この人が仲間ででてきたとき、ずいぶん声が通る人だなあと違和感があった(舞台の人だからね)。
伊勢谷友介は石つぶてや石の入った袋を振り回して戦ってる。
もう伊原剛志なんて最後には疲れちゃって刀ももてなくて相手に馬乗りになって石でがんがん戦ったり。

でもやっぱりどんどん数が減っていきます。行列の方も減っていくけどね。最後に島田新左衛門とその甥、敵は鬼頭と殿とあと三人。
鬼頭と殿以外を甥が斬っていよいよ島田新左衛門と鬼頭の対決。バカ殿はここでも「一対一とは風流じゃの」とか言ってる。
ちなみにバカ殿はほんとのバカじゃなくて「徳川は滅びる、余が老中になるのだぞ」とか言うように自分にも国にも絶望しているような人間。でもだからってひどいことしちゃいけません。

あちこちで絶賛の稲垣吾郎の演技ですが、私は特に……。なんか口調が軽い気がするんですよ。しゃべるたびに映画の中の世界とあってない気がして違和感。まあ軽い性格を表したのかもしれないけどね。ほとんど無表情なのはよかった。

鬼頭と島田新左衛門の一騎打ちはなかなか迫真でした。
最後に島田新左衛門が殿を斬るんだけど、最初泥の中をのたうって「痛い痛い」と言っていた殿、最後には「今まで生きてきて一番楽しかった」と。

ム カ ツ ク 。

楽しい思いのまま死にやがって。
役所広司もこのせりふがでる前に斬りたかったそうです。

斬っちゃえ。

手足斬って舌抜いてチンコつぶしちゃえ。

島田新左衛門はわざと殿に刺されておいて死亡、生き残ったのは甥だけ。あ、最後にもう一人、小弥太もでてきます。賛否両論ですが、まあ死んだって一瞬思わせるあのシーンが間違ってたんだと思えばいいかも。きっと双子なんです。
「こんな傷、たいしたことねえよ」って、おなかポリポリしてるけど、小太刀で首、刺されてたよね?

死人の山の中を山田孝之がふらふら歩いて行きます。ここ長くてなんか生き残りの敵におそわれるんじゃないかってびくびくしちゃった。
山田孝之の表情はなんか呆然というかむなしいというかばかばかしいというか、そんな雰囲気をたっぷり見せてから少し微笑みます。
その微笑みが最後に恋人の元へ戻ったシーンにつながってなかなかいい感じでした。

水曜レディースデーの朝一番に観に行ったので空いてました。ご夫婦カップルと女性の友達同士が多かったです。まあ男優てんこ盛りだもんね。あと年輩のおじさま。「剣岳・点の記」と同じ様に ポマードくさかった です。

「13人の刺客」はとにかくエキサイティング・サムライ・アクション。
残酷なシーンもあるけれど、コミカルなシーンもあるし、スカッとするわけじゃないけど(笑)、時代劇おもしろいって感じさせてくれる映画でした。

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霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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