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YBSラジオ「1ミニッツ ストーリーCMアワード」

YBSラジオ「1ミニッツ ストーリーCMアワード」というので1分のCM用脚本を応募していた。
山梨にあるお店のCMだって。
仕事が終わってハイになった頭で3本ほど応募。
こういうのならいくつでも考えられる。
通るかどうかわからないけど。

時計店CM

時計の音 チクタクチクタク……(FO)

父「すみません、この時計をお願いします、贈り物で……」
店主「はい、承知しました」
父「贈る時期がくるまで預かってもらってもいいですか?」
店主「もちろんですよ、贈られる相手の方は……」
父「娘なんです」
時計の音 はっきりと。

結婚式の鐘の音 リーンゴーン

母「おめでとう、美和子、きれいよ」
娘「ありがとう、お母さん。今まで育ててくれて本当にありがとう」
母「これね。お父さんから」
娘「え……でもお父さんは私が生まれる前に」
母「ええ。お父さん、自分がお前の顔を見られないとわかって、これを買ったのよ。おまえが嫁に行くとき渡してくれって」
娘「これ……時計……?」
母「おまえと一緒にいられない間も、ずっと時を刻んでくれるからって」
娘「……(ため息)」
母「お父さん、お前のことずっと……(嗚咽)」
娘「おとうさん……」

思い出の時を刻む―――藤原時計店


和菓子屋CM

N「父とケンカして出ていった家に、五年ぶりで帰って来た」
SE:玄関の戸を開ける音 カラカラ
娘「……ただいま」
母「よ、美子、お前」
娘「なによ、娘が帰ってくるのがそんなにびっくりすること?」
母「だってお前、何年ぶり……?」
娘「うるさいなあ、いいじゃん、いつ帰ったって……あ、」
父「……帰ったのか」
娘「(小声で)ただいま」
母「美子、お茶でもあがんなさい」
娘「(苦笑)はっ、なに、また桔梗屋のお菓子? よくあきないね」
母「そうだね、あきないよ」
SE:お茶をいれる音 トポポポ……
娘「信玄餅ってさあ、あんまり向こうで見ないんだよね」
母「そう」
娘「こんなの好きだって言うとばばくさいって言われるんだよね」
母「そう」
娘「でも時々むしょうに食べたくってさあ……(嗚咽)」
母「……そう……」
SE:襖の開く音
父「最近は信玄餅がぷりんになったんだぞ」
娘「……へえ(すすりあげる)、そりゃ食べてみなきゃ……」
変わらぬ味、新しい味、桔梗屋の和菓子。

法事関係のCM

SE:鐘の音 ゴーン……
家来「殿!」
家来「お館さま」
信玄「ものども……わが死を三年の間隠せ」
家来「しかし、三年もたったあと葬儀はどうすれば……」
信玄「それはあの……なんとかの窓口に相談せよ、葬儀のことならなんでも気軽に相談できるぞ」
家来「三年たっててもですか?」
信玄「相手はプロじゃ。なんとかしてくれるだろう」
家来「しかし、三年もたてばお館さまの遺体もなくなっております」
信玄「大丈夫じゃ、供養に関するものは全て用意してくれる。わしの遺体もどこからか持ってきてくれるじゃろう」
家来「なんとかの窓口ですか」
信玄「そうじゃ、なんとかの窓口……なんというたかの」
SE:三分クッキングのような音楽
窓口「はい、葬儀の窓口です。そしてこちらが三年たったあとのご遺体です」
家来「まあ、とっても穏やかなお顔」

葬儀のことなら「葬儀の窓口」。でもご葬儀はお早めに。


あ、前に「第10回南のシナリオ大賞」に応募した「唐津奇譚」は入賞しなかったけど一次選考通りました。
選評は「マザーグースの日本版のようですね。とてもよくまとまっています。」でした。
うーん。まとまっているのをほめられても……あまり嬉しくないぞ。

唐津奇譚はこちらから読めます→「唐津奇譚

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プロフィール

霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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