HOME   »  邦画  »  天空の蜂 感想ねたばれ

天空の蜂 感想ねたばれ

面白かったよ! 

自然に口からはでないようなかっこいいせりふが嘘くさい感じもしたけど(笑)自衛隊すばらしい、という映画。
こないだの鬼怒川氾濫にときも自衛隊のヘリ活躍して神業ホバリングしてたけど、自衛隊頼りになるなあ。

最後まで書いていくのでこれから見る人は読まないでね(青字は粗筋、黒字は感想)。

天空の蜂 (講談社文庫)
東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 47


1995年、完成したばかりの大型ヘリが自動操縦で奪われ、敦賀の原子力発電所「新陽」の上空でホバリングを始めた。
日本の原発の炉心をすべて破壊しないと「新陽」に落とす。なにもしないでも8時間後に燃料が切れて「新陽」に落下する。




おや、と思ったのはこの映画が原作通り20年前の設定であること。

ヘリの開発者・湯原(江口洋介)は新陽に駆けつけ、そこに旧知の原発技術者・三島(本木雅弘)の姿を見つける。
奪われたヘリには見学にきていた湯原の子供が乗り込んでいた。
ヘリから子供を救出し、犯人を捕まえ、ヘリを着陸させる。すべてはヘリの燃料が切れる8時間の間に。


新陽でのヘリ開発者と原発関係者のシーン、警察が追う内部協力者のシーン、子供を救出する自衛隊のシーン、もう一方の警察が追う犯人のシーン。
映画は大ざっぱにいってこの4つのシーンから成り立っている。

原発関係者は炉心の真下のドームが安全と言っているが、コントロールルームからそこに避難するには1分かかる。その移動時間をどうするか。
ヘリが落ちても大丈夫なように一応しんようも止めようとするけど、新陽止めるとヘリ落とすと言われているので、わからないようにこっそり止める。
原発が稼働してるかどうかは海に流れ込んでいるお湯でわかるから、とにかくなんでもいいんで水を流す、と計画してたら、上空の大型ヘリには温度を関知する機械がついてるのでお湯から水にしたらばれてしまった。あわてて計画ストップ。
でも、機械が関知するのに1分かかるから、その間に逃げられることが判明。

「犯人はまるで誰も殺したくないみたいだ」

内部関係者を追う警察は、出入りの調書を洗い、名前が書き換えられたことをつきとめ、筆跡確認を行う。

犯人を追う警察は、原発の下請けで白血病で亡くなり、裁判を起こした家庭を調べ、死亡した青年が生前ラジコンにはまっていたことをつきとめる。そして青年にラジコンを教えた「師匠」を追う。
犯人の綾野剛は放射能被害でもう死にそう。元自衛隊の綾野は内部でクーデターを起こそうとして除隊させられていた。
瀕死の状態で逃げ出すが、最後にはトラックに飛び込んで自殺。そのとき持っていたコントローラーもバラバラ。


この犯人逮捕の時、ずっと若者代表みたいに役立たずだった刑事が命がけで追いかける。
結局死んじゃうんだけど、命がけだったんだから逮捕させてあげたかったな。でなきゃ一命取り留めるとか。
こんなところで涙要求しなくてもいいよ、監督。

ヘリに残された子供がモールス信号を取得していたため、モールスでやりとりをし、なんとか自衛隊機からヘリにロープを打ち込む。
しかし風のせいでロープがヘリのローターに触れてしまいそうになり、自衛隊員はヘリからロープを持ったまま飛び降りる。
なんとかヘリにたどり着いた自衛隊だが、子供はヘリから落ちてしまい、その子を追って自衛隊隊員も飛び降りる。


hati03.jpg

ここの一連のシーンが緊迫感があってすばらしかった。日本は自衛隊さえあれば大丈夫な気がしてきた。
自衛隊ヘリかっこいいよ。

最後に新陽に持ち込まれたコントローラーを湯原たちが完成させるが、それはヘリのエンジンが一度切れないと使えない。
そのため、ヘリが落下するとき、動かすことにして、湯原は自衛隊機に乗り込む。

hati01.jpg

コントロールが効くかと思われた瞬間ヘリは爆発。
しかし、湯原のコントロールのおかげでヘリは海に落ちる。

ここには書かなかったが、実は犯人はもう一人いる。
個人的な憎しみと日本への危機感を抱いた人間。

「新陽を標的に選んだのは新陽が一番安全だからだ。必要だと思っても見たくないものは見ない。沈黙する群衆に原子炉のことを忘れさせてはならない。子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。」


hati02.jpg


こういうメッセージが最後に流れるが、それは映画の中では国民に知られずに終わる。
(原作ではちゃんと流れることになっている。それを敢えてシャットダウンする映像を見せたのは、カントクのいやらしさかもしれない。ここまで報われないんですよーという)


その後2013年東日本大震災が起きる。
ヘリに残された子供は自衛隊にはいりヘリを操縦する。
その子に江口は聞く。
この国は守る価値があるのか、と。
子供はモールスで「ココニアル」と胸を叩く




天空の蜂(上) (イブニングKC)
猫田 ゆかり
講談社 (2015-09-08)
売り上げランキング: 3,344
天空の蜂(下) (イブニングKC)
猫田 ゆかり
講談社 (2015-09-08)
売り上げランキング: 4,188



映画ではフクシマについては触れていなかった。原発を題材にしたのなら絶対避けて通れないはずなんだけど。

原作の方では原発自体の危険性より使用済み燃料プールの危険性を訴えていた。

プールは原子炉建物ほど堅牢でないので破壊されやすい、と。

20年前、すでにこういうデータを一作家が入手できたということは、多くの人も知っていたはずだ。
知っていて、フクシマ原発のプールの壁はそのままだった。
やはりあれは人災に違いない。

東野圭吾は書く。
「可能性の低い話である。しかしゼロではない」と。

ゼロでなかった結果が「フクシマ」である。

この映画は東日本大震災、そしてフクシマのことを再度考えさせる映画である、ということでは成功している。







関連記事
プロフィール

霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
メールはこちらから。



更新情報や日々の戯れ言を呟いてます。フォローよろしくお願いします。ブログの更新もお知らせします。

人気記事
お役立ち商品紹介(人気記事)
FC2カウンター
crick ! crick !
最新記事
カテゴリー
るたが運営する他サイト
AMAZON