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オールナイトで特撮三昧

あれ? 12月に新文芸坐のオールナイトで見に行った日本の特撮の記事がない?
書かなかったのかな、頭の中だけで仕上げていたのかな。

見に行ったのは「妖星ゴラス」「海底軍艦」「宇宙大戦争」「世界大戦争」の四本というヘビーなもの。

お目当ては「妖星ゴラス」。

子供の頃自宅のテレビで一度見たことがあるんだけど、水星が地球にぶつかりそうになるんで地球の人々ががんばってそれをなんとかする話。そのなんとかする方法が子供心にとんでもねー! って方法だったんで、かなりくっきりと心に刻まれた。

アメリカ映画にも同じような話があるけど、あっちのはロケットを作って選ばれた人だけそれに乗って、地球に水星がぶつかったあと、その場所に収まった新しい星におりたつ、という、まあこれもトンデモ話だった。
あの映画では足の悪い大富豪がいばりちらしていて、でも最後にずっと付き従っていた執事が車いすを押さなかったのでロケットに乗れなかったというのがすごい胸にくる話だった。

ところで日本の場合はどうするかというと、なんと南極に噴射口を作って地球を動かして水星をスルーする、という作戦に出た。
すごいでしょ。

子供の頃は子供目線で怪獣がでたとことかロケットのシーンしか覚えていなかったんだけど、今回見たらかなり大人のしっかりしたドラマだった。

水星の探査にでかけたロケットが重力に引きずられて星にぶつかって爆破したり、そのロケットがちょっとずつ噴射してバランスをとったりする芸の細かさもあったし、観測カプセルに乗った飛行士がゴラスからの恐怖で記憶喪失になって恋人に悲しまれたり、星と衝突するというのに会議がはかどらなかったり、せっかく作った南極の基地が突然現れた怪獣(のちにトドラになる)に破壊され、それをやっつけようとすると第一作目「ゴジラ」に出てきた親怪獣派の志村こう博士に「残念だ」と言わせたり、基地を作っているさいのちっさな模型の上で溶接の火花が散っていたり、今見てもぜんぜんOK、ごめん、日本の特撮バカにしてて。

なにより今回これを書くので調べたら、地球を動かすことは理論的には可能って東大の教授が検証してんのね。
いやあ、ゴラスよかったよ、ゴラス。

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続いて「海底軍艦」。これは実は未見。
海底軍艦のデザインと、あの「ゴウテンゴウ、ゴウテンゴウ、ゴウテンゴウテンゴウテンゴウ」というSF大会で替え歌になってしまったBGMは知ってたけど。

見てびっくり。

なんと海底軍艦・轟天号は、太平洋戦争に負けた海軍の一部隊が、鬼畜米英をやっつけて日本を勝利に導くために作っていたものだったんだ! 
ひゃあ。全然世界平和のためじゃなかったよ!
ごうてん号を地球人類のために貸してくれっていっても「これは鬼畜米英をやっつけて、
日本が世界を支配するためのものだからいやだ」って断られちゃうんだよ?

ところが海底人、ムウ帝国はそれを自分らへの武器だと勘違いしてちょっかいをかけて逆にやっつけられちゃったんだね。

時代設定が敗戦後そんなにたっていなくて、でも日本は華やかに復興してて(すごいよね、実際)でも戦争を引きずっている人たちはまだまだいた時代。
そんな時代にこんなかっこいい映画を作るなんてすごい。
ムウ帝国で踊られる曲や轟天号の出撃シーンの曲などイフクベ音楽もすばらしく楽しめる。
キャラクターもシリアスなゴラスと比べて、主人公の記者役の高島忠夫とカメラマンの人のかけあいがテンポよくいれられていて楽しめる。
しかしムウ帝国をあんなに完璧に滅ぼすことはなかったんじゃないかなあ。
戦後なんだし、和平へのシナリオはなかったのか、それが残念。

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「宇宙大戦争」も未見。にたようなタイトルに「惑星大戦争」があるけどあっちはなんかすごいキワモノらしい。

「宇宙」の方は侵略者ナタール人と地球人の戦いで、目玉は月の裏側にあるナタール人の基地を破壊しにいくところ。
ここで流れる音楽があの「アオイホノオ」であんの監督の作った「丈夫なタイヤ」のBGMに使われた曲だったんだね。
わたしはずっとゴジラのときの自衛隊の出撃マーチだと思ってた。
でもイフクベさんの曲は怪獣モノだとにているのがあるから勘違いかもしれない。

この作品は「ゴラス」や「海底軍艦」に比べてもう少し肩の力を抜いた感じ。でもアポロが月にいく前に月の情景を描いて、少ない重力でふわふわ動く演技をさせていたなんてすごいな。

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最後に「世界大戦争」。
これだけは本田猪四郎さんの作品ではなく、芸術祭参加作品だそうで監督が違う。 松林宗恵監督。
これも初めて観る作品。

平和に見えた世界にいつのまにかひっそりと戦争が、世界の終わりが近づいてくる恐怖。
一度は東西ともに戦争をきわどいところで回避するのだが(ミスで核ミサイルのボタンを押したとか、地震で核ミサイルのスイッチがはいったとか。とんでもねえ!)、結局戦争は起こってしまう。

それまで株の動きを気にしたり、娘が結婚を言い出してとまどっていた平和なお父さんフランキー堺。
世界が終わりになる日にみんなで家でおすしを食べて、でも最後に二階に駆けあがって泣きながら叫ぶところなんかはもう涙、涙。

このあとは特撮監督・円谷さんのやりたい放題の世界大破壊シーンが延々続く。
火力・火力の破壊ですさまじい。さいごはもうドロドロになっちゃうし。
当時トラウマになったんじゃないかな、これ。

あ、でもこのあたりの破壊シーンより戦車の戦いとか海上の戦闘機による空中戦の方がリアルでした。
さすが、戦争映画で鍛えただけのことはあります。前に見た「キスカ」も戦争シーンはほんものみたいだったもの。

ところでこの作品では日本政府はなんか世界の良心のように描かれています。必死に東西の火種を抑えようと動き回って総理は倒れるし、しまいには大臣と二人で国会でしんみりするし。日本政府はほぼダメ政府のように描かれるいろんな映画の中では珍しかったですね。

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目的の「ゴラス」を見た後はさほどおもしろくないんじゃないかな、と覚悟して行ったんですが、いやあ、申し訳ありません。わたしの覚悟不足でした。いい意味で裏切られた。
日本の特撮、すげえよ!

次回の新文芸座のオールナイトは「メカゴジラ祭り」!
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霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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