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最強のふたり 感想

あらすじを書くとおもしろくない。
首から下が麻痺した大富豪がきまぐれでやとったスラムの黒人青年と心を通わせる話。
それだけだ。
そんなんよくある話じゃない、と思うだろうが。



だけど、おもしろかった。いい映画だった。
映画館の中は何度も爆笑に包まれた。そして終わり頃にはあちこちですすり泣きが聞こえた。

よく「泣ける映画」とかって宣伝する。泣ければいい映画のように言う。泣ければ感動ものなのか。
そして「泣く」映画はたいていは誰かの死や別れを描いて涙を搾り取ろうとする。
「最強のふたり」は悲しい映画じゃない。最後の涙は純粋に思いやりに感じてこぼっるのだ。
悲しい時だけじゃなく、うれしいときも、ありがたいときも、相手を思うときも涙はこぼれる。

実は私はヨーロッパ映画が苦手だった。フランス映画とか、なんだかテンポがあわないし、間延びするし、わけのわかんない比喩とか暗喩とかあって。
だからこの映画になんの知識も持たずにいって、フランス語しゃべられて「しまった!」と思ったよ。
だけど、10分後にはもう楽しんでいた。

スラムの青年ドリスのやることなすことがおもしろくてしょうがない。こりゃあ大富豪フィリップが手放さないわけだ。
ドリスがどんなに失礼なことをしても、フィリップはそれを客観視して楽しんでいる。
客観性。それがフィリップの抱える傷だ。彼は妻を亡くし、体の自由を失ってから、おそらく自分に対して興味を持てないでいた。一生懸命にならないでいた。
けれどドリスが彼を取り囲んでいた見栄や弱気をドカドカと打ち壊し、新しいことへと取り組ませてくれる。

介護用の車をやめてスポーツカーに、時速8キロしかでない車いすを改造して時速20キロの車いすでかっとばす。
パーティではクラッシックよりロックを、しつけのなってない娘にはおしおきを。

フィリップの館の人々もいい。最初からドリスを差別せず、寛大に接してくれる。

映画の中にはロマンスもある。
長年の文通相手とドリスが会うようにしてくれたが、フィリップは車いすの自分ではなく、元気そうな自分の写真を送ってしまう。そして初めての待ち合わせのとき、あれだけ楽しみにしてたのに、結局逃げてしまう。
いい年をした男が、地位も名誉も金もある男が、まるで自信のない中学生のように!
(恋の行方は映画館で)

フィリップにはドリスが必要だった。自分に同情せず対等に扱ってくれる彼が。
そしてドリスもはじめて自分を必要とし、信頼してくれた彼が大切だった。

「最強のふたり」って邦題のセンスのなさがどうしようもないけど、とにかく今まだ間に合うなら見に行って損はない。
来週相方ちゃんをひきずって見に行くつもり。
とにかくハリウッドでリメイクされてへたな大感動作になる前に見に行け!

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霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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