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これらの本の共通点は?

アヴァール戦記
とりぱん
花嫁は萌え漫画家
吉田戦車

この4冊に共通しているのは、話の中にあの「3.11東日本大震災」のネタが入っていることだ。

一番早くでたのはとりぱん。
とりぱん(11) (ワイドKCモーニング)とりぱん(11) (ワイドKCモーニング)
とりの なん子

講談社 2011-06-23
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作者が東北の人だと知っていたので、実はこの11巻がでるまで心配だった。
このマンガの中では震災の地元・北東北にいたのに作者の家周辺では被害はあまりなく、TVやネットで自分の故郷の惨状を見た後、おもむろに机に座りマンガを描く様子が淡々と描かれている。
マンガを描くしかないんだ、という漫画家の姿が10P(2話分)という作品の中に描かれていた。

それでも

日常を取り戻すために
それぞれが役割を努めようとしている

私は また 普通の日常を描いていこう

失われた町の たのしかった思い出を

空や山や

海だって

私たちの強さ弱さとは関係なく

世界はいつでも美しいということを

それが私の役割だと思うから

(とりぱん11巻 第290羽より)

アヴァール戦記 1 (BUNCH COMICS)アヴァール戦記 1 (BUNCH COMICS)
中村 珍

新潮社 2012-01-07
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「アヴァール戦記」というのは中村珍さんがマンガを描くというのはこれだけお金がかかるんだよ、というケチ(アバール)な道を描くマンガ。たとえば表紙は●時間かかっているから●円とか、アシスタント3人に車を描いてもらって誰が一番コスパがいいとか。
ところがそんなマンガを連載している途中で震災に遭う。
この人は東京にすんでいるので直接家が崩壊したりしたわけではないのだが(部屋の中がちらかり上階から水漏れした)、ものすごく地震に対して恐怖を持った。
1日たってもガタガタしている。震源地である東北にすんでいるとりのなん子さんの方が落ち着いていた。
まあ都会の一人暮らしのマンションで水漏れしてくるような目に遭ったらやはり怖いと思う。そして締め切りぎりぎりだったのに部屋がとっちらかって原稿が描けないという非常事態になる。そういう状況がこれまた5回連載にわたって描かれる。
震源地にすんで冷静なとりのなん子さんのマンガと対照的だ。

ヨメさんは萌え漫画家 (コミックエッセイシリーズ)ヨメさんは萌え漫画家 (コミックエッセイシリーズ)
こげどんぼ*

マッグガーデン 2012-04-14
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萌え漫画家の方だが、これは結婚相手が自衛官幹部だった、というまた違う立場から3.11を描いた部分が挟まれている。
たださほど詳しくは描かれていないので(とにかく作者が結婚の準備に忙しい)自衛官が活躍する話を期待するとがっかりする。
まあかわいいからいいか。

まんが親 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)まんが親 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
吉田 戦車

小学館 2011-11-30
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吉田戦車は「伝染るんです」の印象が強く、人の親になる人だとは思わなかった。だけど結婚して子供の親になっている。しかもバツイチで前妻との間にも子供がいる。なんか不思議。

4コマ漫画家同士で結婚しているので仕事のことでも「奥さんにはかなわない」と思っていることや、子供に日々驚かされることなどがナンセンスに走らず描かれている。ある意味吉田戦車らしくないのだが、どこか突き放したような目で子育てする自分や子供のことを語る口調は吉田戦車らしいとも思える。

で、やはり3.11。
実は吉田戦車の実家が岩手県にある。
吉田さんは漫画家仲間と被災地にいきがれき撤去のボランティアをするが、そこでぼろぼろになった自作「伝染るんです」を発見してしまう。そのときの作者の気持ちはどうだっただろう。4コママンガらしく笑いを誘うように描いてはあるが、かなりショックだったはずだ。

現地にいたとりのなん子、東京で恐怖におびえる中村珍、離れた場所で被災した故郷を思う吉田戦車。いろんな立場で描かれる大震災。

狙って買ったわけではないが、エッセイマンガの場合は実体験が必ず入る。それがメインのマンガではないが、その分異常な日常だったのだと改めて思う。
そして読めば必ずあの日に立ち返る。
あの日を思い出せるということは生きているということだ。

読みながら、その命に自然と感謝もしてしまう。

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プロフィール

霜月りつ@文筆業

Author:霜月りつ@文筆業
白城るた・あるいは 真坂たま、白雪真朱と名乗ってBLやTLやファンタジーを書いてます。最近は霜月りつ名義で時代物も。
主に読書と映画と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマスので、ついてこれる人だけれっつごー。
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