七人の証人

西村京太郎の「七人の証人」を読んだ。

目が覚めたら絶海の孤島にいた十津川警部。そこは映画のセットのようにある街の一部が作られていた。そして他にも七人の人間が、わけもわからず集められてて………そして一年前の殺人事件の真相があばかれてゆく。

この七人には共通点があるのだが、まあそれは読んでからのお楽しみってわけで、面白かった。
西村京太郎は本当に安心して読めるなあ。特に初期のものはいい。

この「七人の証人」はトラベルミステリーではない分、あまり知られていない作品らしい。映画とかにすれば面白いのに。法廷劇とか好きな人におすすめ。

最後のばたばたばたっと話がすすんでいくとこなんか、目が離せませんね。

久々にいいミステリーを読んだ。

七人の証人 (講談社文庫)
七人の証人 (講談社文庫)
おすすめ平均
stars人間が如何にいい加減かわかる
stars面白かった!
stars真相に迫る過程が面白い♪

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2002年11月15日 サルベージ

Uさん>エールのつもりだったんだけどちょっと考えなしだったかも。そんなわけで修正済。ありがとー。

theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

うううーん

ネットのできる携帯を王子までとりにいったんだけど、どうも話が通ってなかったらしく(知り合いのNTTドコモの人に頼んだ)、結局手に入らなかった。1時間以上待っていたのに。
でもそこだとかなりお得に携帯が手に入る。
携帯の機種ってお店によって値段が違うってのをこれで初めて知った。
欲しかった携帯は母親用のらくらくホン。池袋と大塚、隣同士の駅なんだけど、大塚では4万円、池袋では3万円。
そして王子では0円。
携帯の値段ってあってなきがごとしだね。

先日、とある携帯配信している会社に打ち合わせにいったんだけど、そこではTLが売れない(TOPにリンクをはられなくて探しにくくダウンロード数がのびない)ので、恋愛小説というカテゴリで書かないか、と言われた。
いわゆるハーレクイン。
「渋谷109前みたいなので、エッフェル塔前とか」
ギャグか、ギャグなのか。本気なのか。

エロはそれほど激しくなくていいそうだ。
オトナの恋愛かあ…ハーレクイン読んで勉強しなくては。

高塔さん>残念! それではまた佐藤浩市の映画がきたときにでも!

ryoさん>出版されている私の本でまだ手に入るのはオークラ出版とあんず堂だけかも。あとは古本(ブックオフとか)やネットでの方が手に入ると思いますよ。よろしく〜。

theme : BL小説書きの日記
genre : 小説・文学

小松左京

小松左京は大学生の頃よく読んだなあ。かなり影響された。考え方もだけど文章も。読みやすくテンポがいい。わたしの小説にダッシュやリーダーが多いのは小松左京のせいかもしれない。長編よりは短編が好きだった。長編で読んだのは「日本沈没」「見知らぬ明日」「こちらニッポン……」「果てしなき流れの果てに」「首都消失」。
でも内容を覚えているのは「沈没」と「ニッポン」だけだったりする。

「SF魂」

SFの創世記とSFが熱く燃えていた時期を体験、作り上げた著者の迫力に満ちた回想。
小松左京のように小説を書いて生きていけたら楽しいだろうなあ。

そういえば私は子供の時からSF漫画や小説に親しんでいたけど、オタクになったのはたぶんスターログが創刊された頃、意味もよくわからずそのかっこよさとこう、なんだかもやもやとする心地いい流れに身をまかせた結果だ。SFが一番力を持っていた頃だったのだから、ある意味、不可抗力である。

日本沈没はカッパノベルス版を持っていたはずなんだけどどこへいったかわからないので小学館文庫を再購入。これから再読しよう。

そしてうまうまと小松左京ブームがわたしに到来。
「復活の日」と「さよならジュピター」を買いに行ってしまうのは明白だ。

SF魂 (新潮新書)
SF魂 (新潮新書)
おすすめ平均
starsSFは、《究極の文学》である。
starsSF人種っていると思う。
stars60年代70年代の関西文化史
starsSF勃興期のエネルギー
stars「SFの思考法の特徴は、物事を相対化する、ということだと思う」。

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006年07月22日 サルベージ

theme : SF小説
genre : 小説・文学

BRAIN VALLEY

 瀬名さんの「ブレインバレー」を読んだ。
 脳とかコンピュータとか人工生命とか神とか宇宙人とか、いろいろ入り乱れて混乱。
 学術的なところはほとんど斜め読みなのできっとちゃんと理解してないまま終わった。
 理解してないと言うのはどういうことかというと、結局主人公の言葉や思想を自分の中のオチとしているところだ。
 つまり主人公のタカオカが、「こうこう、こうであろう」とか「こうこうこういうことか」と思っていることが、自分の中で結末になっているわけ。
 でもこういうんじゃなくて、タカオカの言葉をヒントとして、「これはもしかしたら、こうこうこういう話だったのでは」と納得しなきゃいけないんだと思うのね。
 でもむずかしくてできないの。

BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)
おすすめ平均
stars魂が揺さぶられる超大作
stars眩惑的な《娯楽小説》。
stars小説と思わなければ読み応えがあります
stars神は存在するか?脳科学から、UFOまで作者の力量が光る傑作。
stars斬新で面白いです。

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 ここからは「ブレインバレー」のネタに係わるので、未読の人は飛ばすように。
瀬名さんは前にも短編で、ある物体を調べて情報を集めることができるなら、逆に情報を集めてある物体を構築することができるのではないか、という話を書いていたけど、もしかしたらそれを膨らませた話なのかなあ。その時は「悪魔」だったけど。
「ブレインバレー」では「神」を作りあげるために人間を進化させたのではないかと、主人公は畏れを抱くわけ。こういう考え方は今までにもなくはないけど、現在の科学や医学や精神学や情報学でリアルに見せることができたのは大きいと思う。まあ読んでも一体何がどうなってそうなるのかは私の頭では理解不能だけど。

2002年11月09日サルベージ

theme : SF小説
genre : 小説・文学

うつうつ日記

「うつうつ日記」は最初の数ページの描き方がよみにくい。たんたんとしたメモのような日記だが、最後に著者が持ち込んでいた「夜を歩く」という原稿が「失踪日記」となったことがわかると、その出版の過程を知りたくなってもう一度読み直してしまった。
白夜書房から他社の出版物の売れ行きが悪くて本にならなかったこと、イーストプレスから連絡がきてたけど気づくのが遅れたことなど日常の隙間にぽんぽんと描いてある。

白夜は営業の力が強いから他社で成績が悪かったらまず出してくれないだろうけど、出していればいまごろ……と歯がみしたことだろう。このうつうつ日記を読んで白夜の上層部が悔しがるかもしれない。いいかげん、ニッパントーハンという大手流通会社も、数字だけでなく、中身を見るようになればいいのに。

そういえば読売新聞に「賞に入賞したはいいが本が売れなくて結局また別な賞をとる」という漂流作家が増えていると書いてあった。
賞をとる力はあるのに出版した本が売れない。でも賞を取る、ということは読む力のある人や編集が面白い、と思ったはずだ。だから2冊や3冊の売れ行き不振に耐えて作家を育てるべきなんじゃないかと思うが、最近の出版社はいますぐ売れる人が欲しいのだ。

賞を取る、本が売れる、シリーズ化する、アニメやドラマや映画やグッズになる、こういう一連の流れを編集も出版社も、たぶん作家も願っているのだ。で、売れてどんどんシリーズをかかせてつまんなくなっていて、作家も別なもの書きたくても書かせてもらえなくてつまんなくなって、で、かげりが見えてくるとようやく新作が出て、それが売れなかったらあっという間に忘れ去られていく。
この方式は角川春樹が元気だったころの角川書店のやり方で、大騒ぎしてフェアをやったあと、まるでその作家はいなくなったかのように思えてしまう手法だった。

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)
うつうつひでお日記 (単行本コミックス)
おすすめ平均
stars逃がした魚は大きい
starsのんべんだらり
starsえんえんと続く毎日の何気ない描写に凄く癒される
stars■うつと供に生きる
starsひでお先生! 原画描いてください。

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006年07月22日サルベージ

高塔さん>風邪の具合はいかがですか? 寒くなりましたねー! 足は歩く分には普通ですがかなり遅くなりました。階段の昇り降りがまだ厳しいです。体重減らせよという話ですが。
これからはコミケの原稿にとりかかります(笑)。

ryoさん>しつこくしつこく言うと、そう3回くらい言えばようやく1回くらい返事帰って来ます。
こないだ別の携帯会社さんからメールをいただいたのですが、とても丁寧なメールだったので感激したら、相方ちゃんが「そんなの普通だよ」。
日頃とんでもねーメールばっかり見てるから、ふつうのメールがすばらしいメールに見えてしまいます。
あ、ところで私の携帯はネットできませんのでメールとか受け取れません。メールアドレスはPCのアドレスなので、お手数ですが件名を書いてくださいませ。書いてないと削除されてしまいます〜。

theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

廃用身

「廃用身」読了。
すごくなんていうかある意味衝撃的な話です。
ネタバレしてますので読みたくない方はここでストップ。

廃用身 (幻冬舎文庫)
廃用身 (幻冬舎文庫)
おすすめ平均
stars面白い〜全部入り小説
stars騙されそうになりました。
stars怒濤の迫力!
stars決して誰もモンスターではないのですが・・・
stars数年前に読んだけど、未だに鮮烈さが甦る

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まずはお医者さんの手記から始まります。
とある老人病院の雇われ院長になった30代のお医者さんはそこで老人患者の持つさまざまな苦しみに直面します。
いろいろとあるんですがその中に介護のたいへんさがあげられます。
それは家族の介護のたいへんさだったり、スタッフのたいへんさだったり。
その中で気づきます。
体に障害のあるお年寄りが多いこと。
その中でも「廃用身」と呼ばれる回復の見込みがなくただぶらさげているマヒした手足を持つ老人が多いこと。
「廃用身」とは、脳梗塞などの麻痺で回復の見込みがない手足のことです。
そこで医師は考えました。この「廃用身」を取り除いてしまえば体重は減るし介護も楽ではないのか。
たとえば体重90キロのある老人のマヒした両足をとってしまえば体重が50キロになる。
そうすれば車椅子に乗せる時も下ろすときも楽だ。
しかし、動かないというだけで親からもらった五体を切断してしまうのはどうなのか。
医師もスタッフも患者本人もものすごく悩みます。
そんな中、ある老人の床ずれがひどくなって足が壊死してしまいます。
そこで切断実行。
その後を心配されましたが老人は床ずれの痛みからも開放され、体が軽くなったので両腕だけで移動もでき、癇癪持ちだった性格もなんとなく穏やかになりました。おまけにボケまで改善したようなのです。
医師は考えます。
ボケの原因の一端は脳への血液の流れが悪くなること。しかし今まで五体に回していた血が足に回らなくなった分、頭に回って血流量が増え痴呆が改善されたんじゃないか、と。
もっともこれはデータがとれるほど症例がないので医師の希望的憶測です。
しかし足を切断して元気になった老人の姿を見て、他の老人もマヒした部分をとってほしいといいだします。
医師は充分にカウンセリングをしたのち、「廃用身」を切断していきます。
あくまでも医師の思いやりと研究心から出発したこの療法ですが、それをマスコミが悪意をもって報道しはじめました。
「恐るべき老人医療、残酷な院長」
「老人の四肢を切断」
「手間を省くための措置」
最初は沈黙を守り無視していた医師ですが、ある時期から反撃にでます。
反撃すればますますおもしろおかしくかきたてるのがマスコミです。
医師はどんどんおいつめられていきます。
そして患者たちもおいつめられていきます。
その中で最悪の事態が起こります。
マスコミにはむちゃくちゃ受けのいい悲惨な事件です。
そしてとどめにある患者が自殺して遺書を残しました。
「私は切断したくなかった」
医師は打ちのめされてしまいます。
そして、「私の頭は、廃用身」と遺書を残し、線路に頭を預けて横たわりました………

医師の手記は終わり、そのあとは担当編集者が補足していきます。
医師は本当にマスコミに書かれたように冷酷な人間なのか。蝶の羽根をむしるように老人の手足をもいでいったのか。
この治療は本当にまちがっていたのか………。

これはフィクション、フィクションと唱えていなければ本当にあったことなのだと思い込んでしまいそうです。事実私はノンフィクションだと思い込みました。それほど医師やスタッフ、患者たちの描写が心が力を持って押し寄せてきたのです。
事実著者は老人デイケア施設などを得て、現在も在宅医療専門のクリニックに勤めています。現役の医師です。その現場でしかわからないこと、現場でないと感じないジレンマ、ストレス、アイデア、感情がこの作品を包んでいます。
読後、私は医師を責めることができませんでした。むしろこの治療はあってもいいのではないかとすら思いました。

著者である久坂部羊は言います。
「廃用身は精神的にもお年寄りを憂うつにするもので、その切断は実際にあってもおかしくないと現場医師として感じる。もちろん痴ほうの改善などは虚構だし、この残酷な療法が現実になるとは思っていない。だが事態は奇麗事で済まないところに来ており、何らかの厳しい選択は避けられないでしょう」

激しい選択。
それは近い将来私たちも必ずとらなければならない決断なのです。

2006年11月03日 サルベージ

theme : 文学・小説
genre : 小説・文学

仰天 土佐日記

おとこもすなるにっきといふものをおんなもしてみむとてするなり。

古典や日本史の授業で「土佐日記」という言葉に触れたことがある人もいるだろう。内容は知らなくてもこの冒頭の一文で、「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」という解釈から紀貫之が女性の立場に立って書いた、という今で言えばネカマブログみたいなもので記憶に残っているに違いない。
ところがこれに新解釈が最近くわえられた。
この時代、文字には濁音をつけなかったということ、「してみむ(してみる)」という言葉の使い方はしてなかったということ、このふたつからもう一度、冒頭の文を読むと、

おとこもすなるにっきといふものを おんなもしてみむ とて するなり。

ではなくて

おとこもすなるにっきといふものを おんなもし て みむとて するなり。

と読める。

つまり「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」ではなく「男もすなる日記といふものを、女文字で見むとて、するなり」

ネカマ疑惑晴れたー!?

もともとなぜ紀貫之が女性の振りをして書いたのか謎だったらしい。

1000年ぶりに新しい解釈をされた土佐日記。
「男が女性のつもりで書いた」という事実が「男が女文字(ひらがな)を使って書いた」という事実になって一体なにがどう変わるの? と思われる方もいらっしゃるでしょうが、書き手としてはぜんぜん変わるんですよ。
いや、1000年も前に男性が女性視点で書いたっていうアバンギャルドな事実がなくなってしまったって、これは日本文芸界にとってかなりの重大事件だと思いますよ?

土佐日記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
土佐日記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)西山 秀人

おすすめ平均
stars古典で旅気分が味わえました♪

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2007年03月03日サルベージ

theme : 歴史小説
genre : 小説・文学

時代劇はいいねえ

眠狂四郎無頼控 1巻(柴田錬三郎)
文書がとにかく色っぽい! 1つの大きな話の流れの中で眠狂四郎がいろんな事件を解決していくスタイルで飽きさせない。狂四郎の虚無感がただのキャラづけじゃなくて説得力がある。
なので時々やる気を見せてくれると楽しくなっちゃう。

眠狂四郎無頼控 (1) (新潮文庫)
眠狂四郎無頼控 (1) (新潮文庫)
おすすめ平均
stars純粋な暇つぶし
stars色気のある文章
stars時代を超えなかった時代劇ヒーロー
stars涙すら
starsこちらの方が面白いです。

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消えた女(藤沢周平)
時代劇というよりハードボイルド。
消えた幼馴染を追っていく中で巨悪に立ち向かうはめになっちゃうんだけど、巨悪が自滅したあと幼馴染は行方不明のままであれー? って感じ。ぜんぜん違う方面から情報がでてきて解決っていうのがハードボイルド(笑)。

消えた女―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)
消えた女―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)
おすすめ平均
starsハードボイルドのお約束…なのかな?
starsハードボイルド好きは、とりあえず読むべき
stars伊之助登場
stars本作も漆黒の闇の中でと呼びたい
starsハードボイルド!

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町奉行日記(山本周五郎)
武士たるものの美しさ! バラバラの話なんだけどどれもがいぶし銀の光をまとう芸術品。

町奉行日記 (新潮文庫)
町奉行日記 (新潮文庫)
おすすめ平均
starsすべてが光る
starsこの本を読んで周五郎を知ってください
stars最高に美しい短編「落ち梅記」を読んでいただきたい

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2007年03月06日サルベージ

theme : 歴史小説
genre : 小説・文学

バッチもらっちゃった

先日アルパ内の書店に行ったら店員さんが「しゃばけ」の犬神のバッチをつけていた。
かわいかったので「それ、どうやったら手に入るんですか?」と聞いてみたら、販促用の書店だけに配布されるものだった。
なんだー、がっかりーでもかわいいーかわいいーと騒いでいたら
「まだ店内にあったかも…」ともらっちゃった!!!

RIMG0013.jpg

ねだったんじゃないよ!!
かわいいと言っていただけだよ!!!
浴衣着て化粧してたからその効果???

かわいい若旦那と家鳴のバッチです。でもこれどこにつけて……コミケ???

theme : しゃばけ
genre : 小説・文学

禍記

「禍記」田中啓文読んだ。

禍記 (角川ホラー文庫 (Hた1-3))
田中 啓文
4043465033



なにこれ、騙された!

帯に「謎の古史古伝に封印された人類誕生以前の世界とは!」とかあるから、そういう伝奇もの大好きなわたしはわくわくして読んだのに!
そういうの期待する人は読んじゃだめ!

なにこれ、ただのホラーを5つ並べただけじゃん!
しかも「ある存在」になる方法のネタかぶってるし!
間をつなぐ「禍記」に関わる編集者の話にしても、最後でめためた。意味不明。

こないだこの人の「水霊」って作品の映画化されたもの見たけど、それも思わせぶりに怖い描写があるだけで何の解決にもオチもなく、『この世には手を出してはいけないものがあるのじゃ』で終わりだったし。この調子じゃ原作もおんなじなんだろうなあ。
思わせぶりな怖い、気持ち悪い描写は確かに映像化しやすいだろうけど。

「禍記 」なんてものを大上段にかまえずにたんに『伝承から』とかにしておけばよかったんだ。「取りかえっ子」や「天使蝶」「怖い目」なんかの伝承がらみのアイデアはいいのになあ。とくに「怖い目」の生理的気持ち悪さったら。
「黄泉津鳥船」は星新一の匂いのするバカ話(当然ですが星新一がバカなのではなくて!)。「妄執の獣」は後味が悪いだけで恐怖としては小松左京の「石」の足元にも及ばない。
プロフィール

Author:るた
BL作家・白城るたの読書と着物と同人の日々。独断に満ち満ちてマス。

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